サンタさんからの贈り物  尾上朋子

2014年12月24日

「おまえ、馬っ鹿じゃないの?」
と、いとこの剛は言った。20101202_1522752

力いっぱい「馬鹿」と私をののしった。
(あながち間違っていないが。。。)


「サンタクロースはいる!」
と言い切った私に対して
剛はさげすむように
「あれは、とうちゃん、かぁちゃんがやってることだ」
と私たち姉弟に言い放った。

「絶対嘘だ!!
だって お父さん達が絶対絶対ぜっーーーったい
買ってくれないようなものを、サンタさんはくれる!」
と私と弟は反論した。

小学六年生の冬休みの出来事だった。

サンタがいる、いないで大喧嘩になり
収集がつかなくなった頃
私より一歳年下の剛は静かに言った。
「じゃあ、押入れを探してみろよ!」

どうやら剛は、去年剛の兄ちゃんにそそのかされて
押入れを探したところ、プレゼントが隠してあったのを見つけて
サンタはいないという事を悟ったらしい。

それでも私は
「それは剛が良い子じゃなくて
サンタが来ないのを不憫に思った剛の親が
やってくれた事だ」
と最後の最後まで反論し続けた。

本当にサンタがいる事を証明しようと
家に帰り早速剛の言った事を検証したところ
あっさりとプレゼントは見つかった。

もちろん、『押入れの中』にだ。

剛の言った通り、布団と布団の間に隠してあった。
マニュアルでもあるのか?
ってくらいあっさりと言われたとおりの場所に
隠してあったのだ。

 

今にして思えば、ほんと雑だったなぁ。。。

 

しかし当時の私はショックのあまり、その場で大声をあげて泣いた。
私の泣き声に驚いた両親が
イヴの夜に子ども達の枕元に仕込む予定のプレゼントを手に
泣いている私を見て、
慌てて
『これは預かり物だ』
とか
『サンタさんが忙しくって、この前持ってきた。』
などと、いろいろと言い訳をしてきた。

でも、私は今まで実は心の底で疑問に思っていた
『なぜサンタは外人なのに、隣の倉内本店の包み紙でプレゼントがきたのか?』
とか
『剛が押入れにプレゼントがあるって言ったけど、そんなの嘘だって信じてたけど、剛の言ったとおりだった』
とか
『サンタがいるってずっとお父さん達は私達に嘘をついてた!』
とか矢継ぎ早に突っ込んだ。

 

泣きわめく私に、とうとう両親も観念したのか静かに
「朋子。そこに座りなさい。」
と言った。

そして父は、サンタの夢破れて泣きじゃくる私を諭した。

「大切な話だから、よく聞きなさい。
お父さんとお母さんは、いつもお前達に厳しくて、
お前達が欲しがるおもちゃを一個も買ってあげてないよね。
でも、それは、お前達に『我慢する心』を持ってもらいたいからなんだよ。
だけど、一年に一度だけは、お前達が欲しがるおもちゃを買ってあげようと思って
毎日毎日一生懸命働いているんだ。
一年に一度だけのお前達の我儘をかなえてあげられるような
そんな親になりたくて頑張っているんだ。
お前達がクリスマスの朝に大喜びする姿が見たくて
お父さん達は働いているんだよ。

将来お前達も誰かと結婚して、子どもができるかもしれない。
その時に、一年に一度くらいの我儘をきいてあげられるような
そんな大人になりなさい。
そして
自分の子どもが『サンタクロースはちゃんといるんだ』
と信じられるような
そんな夢を与えられる幸せな家庭を築くんだよ。

次はお前達がサンタクロースになる番だよ。
サンタを信じてくれて、今までお父さん達を楽しませてくれてありがとう。」

その時は信じていたサンタクロースの正体が両親だった事の方が
衝撃的で悲しくて悲しくて泣いていたけれど、
父がとても大切な話をしてくれたのは感覚でわかっていた。

そして、私は母親になった。
毎年サンタクロースになりながら、この体験を思い出した。

幼い時の私にとって、父はとても厳しくて、凄く怖い存在で
何をおねだりしても「ダメだ」の一点張りの人だった。

でも、小学六年生になっても
『サンタクロース』の存在を本気で信じて疑わない
メルヘンな子どもに私を育ててくれた。

それが良いのかどうかは分からないが、
私はとてもとても幸せなクリスマスを過ごさせてもらったと思う。

私の娘達も小学六年生までサンタを信じてくれた。
それもこれも私が父譲りの完ぺきシチュエーションな
サンタクロースを演じきれたからだろう。

サンタクロースの正体がばれた時
私は包み隠さずこの体験を子ども達に語った。

そして、いつの日か彼女達が自分の子どものサンタとなって
幸せなクリスマスを過ごせるような大人になってくれる事を願ってやまない。

どちらさまも ハッピー クリスマス!!
 

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