祖母が話してくれた[タライの水]  尾上朋子

2014年08月28日

子どもの頃にいじめられて
しくしくと泣きながら帰ってきた私を
大好きだった祖母が
「あら、まあ。おかえりなさい」
と抱きしめて
話してくれたお話しです。

ひとしきり愚痴ってさめざめと泣く私に
「ともちゃん、
丸いタライに水を張って自分のほうへ
たくさんの水を引き寄せたいとしたら
どんなふうにすればいいと思うかい?」と。

子どもの私は唐突な祖母の質問に
ちょっとだけ考えて両手を
自分の胸の前で[前ならい]するように
伸ばして
それから両手を引き寄せました。
正解を言い当てた気満々で、ドヤ顔の私に
祖母は微笑みながら
「じゃあ、やってみようか」
と寿司桶を出してきました。

寿司桶に水を張って実際にやってみたら
私の答えたやり方では、一時的に水は
私のほうへやってくるのですが
その後すぐに桶のカーブに沿って
対岸(あちら側)へ流れて行ってしまいます。

躍起になって水を手前に持ってくれば来るほど
あちら側に流れてしまう私の姿を見て
祖母は微笑みながら
「じゃあ、今度はあっちの方へ水を押しやってごらん」
と言いました。
私は手のひらを自分の前に引き寄せて
ま正面の方向へ水を押しやりました。

すると、今度は押しやった水がカーブをそって
私のほうへ波打ってやってきたではないですか!!

「自分の方へ、自分の方へって
自分だけが良ければって引き寄せようとすると
この水のように、あちらへあちらへと流れて行くんだよ。
あなた(あちら側)へあなたへって押しやってあげると
かならず自分の方へ返ってくるんだ。
これは水だけの話じゃないよ。
自分だけ良ければって人の事を考えもせず押しのけて
手にしたものはいつか必ず手放すことになる。
しかも、泣きながらね。
でも、あなたへ、あなたへって気持で
相手の事を思いやって喜ばせた事は
もっと大きな波となって、ともちゃんに帰ってくるよ。
だから、いつも相手を喜ばす事だけ考えて
生きなさいね。
相手を悲しませるような事をしたら、
それもまた、倍になって帰ってくるからね。」
子どもながら、祖母の話はすごく心に残りました。

豊栄ひっとべ会を店主達と立ち上げた時に
まずはお互い仲良くなろう!
それも、他のメンバーの店を自分の顧客に
心底紹介し合える仲間作りをしていこう!

その活動の基本になっているのが、この
おばあちゃんが話してくれた[タライの水]のお話です。

寿司おけ

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